業務用パソコンの選び方〜最低限のスペックとメーカー比較〜

総務・庶務

正直に言う。

PCの選定を任されると、意外と困る。

何を基準に選べばいいのか。メーカーはどこがいいのか。スペックの数字が並んでいても、何が何だかわからない人も多いはずだ。

今回は、PCに詳しくない人向けに、業務用PCの選び方を整理する。


まず、PCを車に例えてみる

スペックの話をする前に、PCの構造を車に例えて説明する。

CPU=エンジン。処理能力の心臓部だ。性能が高いほど、複数の作業を同時にこなせる。エンジンが非力な車は、坂道で息切れする。PCも同じだ。

メモリ=車内の広さ。同時に広げられる作業スペースだと思ってほしい。狭い車内に荷物を詰め込みすぎると身動きが取れなくなる。メモリが少ないPCも同じで、複数のソフトを開くと動きが重くなる。

ストレージ=トランク。データを保存しておく倉庫だ。容量が大きいほど、たくさん詰め込める。

GPU(グラフィックボード)=カーナビや高級オーディオ。映像や画像処理の専用装置だ。普通の運転(事務作業)には必要ないが、レース(動画編集・3Dゲーム)には必須になる。

この4つを押さえておけば、スペック表を見た時に迷わなくなる。


業務用PCで見るべき箇所

ワード・エクセル・アウトルック・ネット検索。最低限ここらへんのものしか触れない人は、以下のようなスペックを用意すれば良い。

CPU:Core i5以上を選んでおけば間違いない。ギリギリまで予算を削るならCore i3でも動くが、複数のソフトを同時に開く場面が多い場合は素直にi5にしておいた方がいい。世代は最新のもので問題ない。

メモリ:8GB以上。これが最低ラインだ。16GBあれば快適に動く。

ここで少し話をしておきたい。

私がその前に使っていたPCは、CPUはCeleronの何かは忘れたが、メモリが4GBだった。起動までに5分、エクセルを開くのに5分、保存は……いや、もう思い出したくない。

仕事をしたいのに、仕事ができない。

これは実務を担当する上で悪夢だ。PCは我々の仕事道具だ。最低限のスペックがないと、心の底からしんどい。

ストレージ:社内の共有フォルダにデータを保存する運用であれば、それほど大容量でなくてもいい。一般的に256GBが標準的な選択肢だ。参考までに、私の業務用PCも256GBで運用している。足りなくなれば、最近は1TBや2TBの外付けストレージが安く手に入るから、そちらで対応すれば問題ない。

GPU:ワード・エクセル・アウトルックを扱うだけなら不要だ。余計なコストをかける必要はない。


ちなみに私の業務用PCのスペック

参考までに、私が実際に使っている業務用PCのスペックを出しておく。

  • CPU:Core i5-10500
  • メモリ:8GB
  • ストレージ:256GB
  • GPU:Intel UHD Graphics 630(CPU内蔵)

ワード・エクセル・アウトルック・ネット検索、全て問題なく動いている。これが業務用PCの「十分なスペック」の実例だ。


メーカーはどこがいいか

正直に言うと、メーカーはどこでも大きな差はない。

国内メーカーで言えば富士通・NEC・東芝(dynabook)あたりが法人向けに実績がある。サポートが充実していて、故障時の対応も比較的スムーズだ。

海外メーカーではDell・HP・Lenovoが法人向けに強い。コストパフォーマンスが高く、大量調達にも向いている。

どこを選ぶかより、サポート体制と保証内容を確認することの方が重要だ。自分で修理できるならいい。しかし、そうでない人も多いと思う。もし不安で予算があるなら、サポートの手厚いメーカーを選ぶべきだ。業務用PCは壊れた時の対応が命綱になる。


何に使うか、が全てだ

ただし、ここまで書いてきた話は「一般的な事務作業」が前提だ。

使う用途によって、必要なスペックは全然違う。

例えばCAD(設計や製図に使うソフト)を使う職種では、Core i5・8GBでは全く足りない。高精度な3Dデータを処理するには、高性能なCPUとGPU、大容量のメモリが必要になる。システム開発や動画編集も同様だ。

PCを選ぶ時に最初に考えるべきは、スペックではなく「このPCで何をするか」だ。用途が決まれば、必要なスペックは自然と見えてくる。


ちなみに私の自宅PCの話

少し脱線する。

私の自宅PCは、ゴリゴリのゲーミングマシンだ。さっきの業務用PCと、同じ項目で並べてみる。

  • CPU:AMD Ryzen 7 9800X3D(8コア・4.70GHz)
  • メモリ:64GB
  • ストレージ:約2.7TB
  • GPU:NVIDIA GeForce RTX 5080(16GB・独立グラボ)

「CPUがCore i5じゃなくて、Ryzen(ライゼン)になってるけど?」と思った人もいるかもしれない。業務用PCで出てきたIntel(インテル)の「Core i」シリーズに対して、こちらはAMD(エーエムディー)というメーカーの「Ryzen」シリーズだ。CPUには、大きく分けてこのIntelとAMDの二大メーカーがある。違いを語り出すと長くなるので(インテルのやらかしとか、最近業務用でAMDも増えてきたとか、本当に語りたいことが山のようにあるのだが…)割愛させてもらうが——ざっくり言えば、このAMDのRyzen 7 9800X3Dは、特にゲーム用途で評価の高い、かなりの高性能モデルだと思ってもらえればいい。要は「業務用とは別世界の、ゲーム特化の超高性能CPU」だ。

……並べてみて、まあ業務用PCの「メモリ8GB・ストレージ256GB・GPUは内蔵」と、見事に真逆だ。メモリは8倍、ストレージは10倍以上、そしてGPUは、事務用には不要と切り捨てたあの独立グラボを、これでもかと積んでいる。同じ「PC」という言葉で呼んでいいのか、ためらうレベルだ。

理由はシンプルで、サイバーパンク2077とVRを最高の環境で楽しみたかったからだ。あの素晴らしい世界を、妥協なく体験したい。そう心から思ったから揃えた。そこに予算もへったくれもない。必要だと思ったから、必要な分のお金を貯めて買う。それだけだ。

PCの購入方法には、BTO(業者側で組み立てたものを送ってもらう)と、自作(自分でパーツを集めて組み立てる)がある。私は自作ができない。あの繊細で細やか、かつ大胆な作業が億劫に感じる。多少高くなったとしても、BTOを選ぶ。

話が逸れたが、要はこういうことだ。

何に使うか、が先に来る。業務用なら最低限で十分だし、最近のPCはこのスペックで軽快に動く。でも自分がどうしても実現したいことがあるなら、そこに全力を注いで予算を確保し、PCの性能を上げていく。それだけの話だ。


MacとWindowsについて

最後に少し触れておく。

OS(Operating System・オペレーティングシステム)とは、パソコン全体を管理する基本ソフトのことだ。アプリを動かしたり、ファイルを管理したりする土台になる。このOSの代表的なものがWindowsとMacで、この2つは別の会社が作っており、操作感や対応ソフトが異なる。

世の中的にはWindowsが主流だが、Macも悪くない。特にM1チップ以降のMacは処理性能が大幅に上がり、評価が高い。

ベンチャー系の会社ではMacで揃えているところも多い印象がある。ただ、既存のシステムやソフトとの互換性を確認してから導入する必要がある。Windowsでしか動かないソフトを使っている場合は、素直にWindowsを選んだ方がいい。

PCに詳しい人からすれば、この記事での説明は物足りなく感じるだろう。また、最低限のスペックは本当にそれでいいのか、と疑わしく思うかもしれない。ただ、これが現場担当者としての率直な感覚だ。

「総務・労務・経理で悩むあなたに、現場から届けます。」

次はこの話をする
税金の納付書のサイズ問題〜A4印刷もファイリングもしづらい、あの紙の話〜

今回の記事に関連しそうなもの
特になし

コメント

タイトルとURLをコピーしました