正直に言う。
このタイトルは、ちょっと盛った。
お役所から毎年届く税金の納付書、明細のサイズはバラバラだ。ファイリングは非常に「しづらい」。でも、その「しづらい」の正体を一度ちゃんと考えてみたら、思いのほか腑に落ちたので、今日はその話をさせてほしい。
あの、中途半端なサイズ
固定資産税、自動車税。会社には、毎年これらの納付書が届く。
世間ではキャッシュレス納付や電子申告が進んで、紙の納付書を見る機会も減ってきたかもしれない。でも、うちはバリバリの現役だ。毎年、紙で届いて、紙で処理して、紙で綴じる。
あなたは、税金の納付書をまじまじと見たことがあるだろうか。あの、A4を縦に三等分したような、なんとも中途半端なサイズのやつだ。
これが、綴じようとすると少し困る。A4のファイルに入れればスカスカだし、専用のサイズなんてうちにはない。台紙に貼るか、小さいまま綴じるか。毎年、ここで小さく考え込む。
そもそも、なんであの形なんだろう。ある年、ふと気になって、調べてみることにした。
あの形には、ちゃんと理由があった
どうやら鍵は「OCR」、つまり機械による読み取りらしい。自治体が納付書を作る時の仕様を見ると、納付書はOCRで読み取られることを前提に、専用のフォント(OCR-B)や決まった形式で作られている。金融機関やコンビニで納付書をスキャンして処理する、あの仕組みのためだ。
そう知って、ひとつ腑に落ちたことがある。あのサイズは、たぶん人間がファイリングする都合では決まっていない。
ここからは私の想像だけど——機械が読み取る都合と、郵送する封筒に収める都合。納期ごとに切り離せるよう連なっていて、窓付き封筒にぴったり入る大きさ。そう並べてみると、あの中途半端さにも一本の筋が通って見えてくる。要するに、私たちがバインダーに綴じることなんて、そもそも設計の前提に入っていなかったのだ。
困りごとだと思っていたものが、誰かのちゃんとした事情の裏返しだった。こういう発見は、地味だけど嫌いじゃない。
様式がバラバラなのも、たぶん理由がある
もうひとつ、気になっていたことがある。様式が、ものによってバラバラなのだ。
私が確認するだけでも、いろいろなパターンがある。あの三等分サイズもあれば、B4のような大きめのものもあるし、もはやどの規格なのか判然としないものもある。
納付の単位も統一されていない。年4回の分割分と1回で払う一括分が両方そろっているものがあるかと思えば、4回分しか入っておらず、一括で払いたければこちらで取りまとめるものもある。
これも私の想像にすぎないが、納付書は税金の種類や自治体ごとに、それぞれの主体が別々に作っているのだろう。全部を一度に統一する「誰か」が、そもそもいない。だとすれば、形が揃わないのも自然な話だ。バラバラに見えていたものも、それぞれの現場が、それぞれの事情で作った結果なのだと思えば、少し見え方が変わる。
時代は、紙の外へ動いている
そして、世の中はちゃんと前に進んでいる。
今、納付書にはQRコード(地方税統一QRコード、eL-QR)が印刷されるようになってきた。スマホの決済アプリで読み取れば、その場で納付が済む。固定資産税も自動車税も対象だ。詳しくは各自治体の案内を見てほしいが、たとえば東京都主税局のキャッシュレス納税のページで、その流れが確認できる。
つまり、紙を綴じるという作業そのものが、だんだん無くなっていく方向にある。紙の保管が見直される流れは、電子帳簿保存法の話とも地続きだ(その時の話はこちらに書いた)。
それでも、うちは今日も紙の納付書を綴じている。世間がキャッシュレスに動いても、現場が切り替わるまでには時間がかかる。紙のノートを手放せない私が紙の納付書とも付き合っているのは(この話と、たぶん根っこは同じだ)、まあ、しばらく続くのだろう。
あの中途半端なサイズも、理由がわかってしまえば、少し愛嬌のあるやつに見えてくる。今年もまた、台紙に貼りながら付き合っていくのだと思う。
「総務・労務・経理で悩むあなたに、現場から届けます。」
次はこの話をする
A部長代理は、金種表を紙でつけている〜現金管理は、お札を数えるだけじゃない〜
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