お抱えのハンコ屋が廃業した〜会社の印鑑、どこで頼む?を本気で調べた〜

現場のあれこれ

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正直に言う。別れは、いつだって突然だ。

ある日、一通のお知らせが届いた。長年お世話になってきた、町のハンコ屋さんが、廃業するという。

書面だった。集金や納品で、あれだけ何度も顔を合わせていたのに、最後のお知らせだけは、紙が一枚。直接、言いには来なかった。きっと、言いづらかったんだと思う。顔を出して、別れを惜しむには、たぶん、お互いに少しつらい。だから、紙にしたんだろう。そう思うことにした。

さあ、困った。会社のハンコは、これからどこで頼めばいいんだ。——というわけで、私は本気で、次の発注先を探すことにした。今日は、その「探してみた」記録だ。なお、私自身はまだ新しい店で発注を済ませたわけではないので、あくまで「調べて、見比べた」という目線で読んでほしい。


あの奥さんが、いなくなる

まず、廃業してしまう、あのお店の話をさせてほしい。本当に、いい店だった。

いつも、ハンコ屋の奥さんが、印鑑の納品と集金に来てくれた。暑い日も、寒い日も、電話一本ですぐに飛んでくる。そして、ひとしきり世間話をしていく。「最近、ハンコ業界もねぇ」なんて、業界の内輪の話を、面白そうに聞かせてくれた。

ただの集金の人、ではなかった。「次、こういうハンコが欲しいんですけど」と相談すると、カタログを広げて、「だったら、こういうのはどうですか」と提案してくれる。私が「シヤチハタ」しか知らずにいると、「シヤチハタばっかり見てるけど、サンビーってメーカーもあるのよ」と、知らない選択肢を教えてくれた。

あるとき、記念品で何か作れないかと相談したら、印鑑のついた高級なペンを紹介してくれたことがあった。印鑑つきのペンなんてものが、この世に存在することすら、私は知らなかった。「へえ、こんなものがあるんだ」と、素直に驚いた。

——今になって思う。あの奥さんは、私の知らない世界を、いつもひとつ、見せてくれる人だった。

その手渡しの温度と、ちょっとした世間話と、「あなたには、これが合うんじゃない」という提案。それが、ある日、ふっとなくなる。「次、どこに頼もう」という実務の心配より先に、私の胸をよぎったのは、たぶん、その寂しさのほうだった。


いい店だった。でも、続けるのは難しかった

あの店のやり方は、今思えば、徹底して「昔ながら」だった。

注文は、FAXでする。これが、実は良かった。印鑑の大きさやレイアウトを、手書きで、ミリ単位まで細かく指示できる。「こういうものは作れますか」と電話で相談すれば、親身に乗ってくれて、難しければ代替案まで出してくれる。そして、注文すれば、最速で会社まで届けてくれる。郵送でいいのに、と思うくらい、わざわざ手で持ってきてくれた。それがいちばん早かった。値段も、良心的どころか、明らかに相場より安かった。

融通が利いて、安くて、サービスもいい。三拍子そろった、理想的な取引先だった。

でも——正直に言えば、不便もあった。

注文はFAXのみ。メールは、ない。だから、ちょっとした確認も、紙とFAXのやりとりになる。支払いは、現金。集金に来てくれるので、その都度、現金を用意しておかなければならない。今思えば、あの安さもサービスも、昔ながらのやり方と、お店側の誠意で、ぎりぎり成り立っていたのだと思う。

そして、その「誠意で成り立つ商売」は、この物価高の時代に、とうとう立ち行かなくなった。廃業という現実は、その何よりの証だ。安くていい店ほど、ある日ふっと消えてしまう。これも、一つのリスクなのだと、思い知らされた。

だからこそ、思った。今度は、もう少し「仕組みとして、続いていく」発注先を、見つけておこう、と。そう考えて、目を向けたのが、ネットの印鑑通販だった。そういう時代なのだ。


そもそも、会社のハンコって、こんなにある

探し始めて、まず気づいた。ひとくちに「会社のハンコ」と言っても、ものすごく種類が多い。改めて、うちで使っているものを数えてみた。

まず、日常づかいの浸透印・スタンプ。新入社員に渡す、認印(ネーム印)。封筒に押す「速達」「簡易書留」「贈答用」などのスタンプ。伝票に押す、会計コードの入ったスタンプ。シヤチハタや、サンビーといったメーカーの、おなじみのやつだ。——そう、サンビーを「おなじみ」と書けるようになったのも、あの奥さんが教えてくれたからだ。

次に、ゴム印・社判。会社名、代表者名、住所、電話番号。最近は、インボイスの登録番号(Tから始まるあれ)も入れる。これらを組み合わせた、横長のゴム印。封筒や書類に、ぽんと押すやつだ。

そして、会社の実印クラス。代表者印(会社実印)、法人の銀行印、角印。これは、会社の意思を示す、いちばん大事なハンコ。めったに作り直さないけれど、いざ必要になると、品質と信頼が問われる。

こうして並べると、「日常的に何度も注文するもの」と「めったに作らないが重要なもの」が、混在していることがわかる。だから、発注先も、この性格の違いで考えると、選びやすい。


日常づかいのスタンプ・ゴム印を、まとめて頼むなら

いちばん頻度が高いのが、この日常づかいの領域になる。新入社員のネーム印、封筒スタンプ、伝票印、インボイス番号入りの社判。ここを、メールで注文できて、即日出荷してくれる店で押さえておけると、心強い。

調べた中で、この「経理・総務の日常づかい」にいちばん合いそうだったのが、株式会社印鑑本舗だった。シヤチハタもサンビーも、おなじみのネーム印を扱っているし、封筒用の既製スタンプ(速達・郵便事務用など)、伝票用の簿記スタンパー、一行印もある。インボイスの登録番号を入れた住所印・社判も作れる。当日出荷にも対応していて、急ぎの時にありがたい。会社で使うものが、ひととおり、ここで揃いそうだ。支払いも、クレジットカードや振込が選べる(これも、現金集金だった以前を思えば、ずいぶん楽だ)。

【印鑑本舗】


会社の実印・銀行印を、きちんと作るなら

一方、代表者印や法人銀行印、角印といった「会社の顔」になるハンコは、頻度は低いが、品質で選びたい。こちらは、法人印鑑に特化した専門店を見ておくと安心だと感じる。

素材や品質にこだわって、長く使う一本をじっくり選びたいなら、Inkans.com(はんこプレミアム)がよさそうだ。法人・起業向けの印鑑セットが充実していて、会社の実印や銀行印を、納得のいく素材で選べる。「会社の顔」として、ここぞという一本を構えたい時に向いている。

高級印材を使い、高品質手彫り仕上げ印鑑実印専門店INKANS.COM

もう少し手堅く、会社印鑑に特化したところで選びたいなら、会社印鑑ドットコムも候補になる。その名のとおり会社の印鑑に特化していて、代表者印・銀行印・角印の2〜4本セットが中心。種類も豊富で、法人を立ち上げる時や、印鑑を一新する時に、ひととおり揃う。

会社印鑑のことなら、即日発送可能な「会社印鑑ドットコム」

もっとも、会社の実印は、そう何度も作り直すものではない。今あるものが使えるなら、慌てて買い替える必要はない。「いざ必要になった時に、ここで頼める」という当てを、一つ持っておけば十分だ。


便利になった。でも、あの人がしてくれていたこと

こうしてネットの通販を見比べていて、正直、驚いたことがある。意外と、種類があるのだ。

これまでは、お店からもらった紙のカタログを見ていた。でも、カタログだと、開いたそのページしか見ない。今あるハンコと、似たようなものを、なんとなく選んでいた。それが、サイトだと違う。ずらりと並んだ商品が、一覧でぱっと目に入る。「あ、こんなのもあるんだ」というものが、クリックひとつで、次々と出てくる。紙のページをめくるより、ずっと手軽に、たくさんの選択肢を見渡せる。便利だ。素直に、便利だと思う。

でも、そこまで考えて、ふと気づいた。

「知らない選択肢を見せてくれる」。それは、あの奥さんが、ずっとしてくれていたことだ。シヤチハタしか知らなかった私に、サンビーを教えてくれた。印鑑つきのペンなんて、存在も知らなかった私に、それを差し出してくれた。私が自分では選びにこない世界を、向こうから、そっと開いて見せてくれていた。

サイトは、商品をきれいに並べてはくれる。でも、「あなたには、これが合うんじゃない?」とは、言ってくれない。膨大な選択肢の中から、何を選ぶかは、ぜんぶ自分次第だ。視界は広がった。けれど、その広い視界の中で、私の手を引いてくれる人は、もういない。

便利さは、手に入る。あの温度は、戻らない。——たぶん、世の中の多くの「便利になった」は、こういう顔をしているのだと思う。


それでも、前を向く

こうして調べてみて、思う。

FAXで手書きの指示を送り、現金で支払い、奥さんが手で届けてくれる。あの、温かくて、不便で、安かった商売は、もう戻ってこないのかもしれない。それは、寂しい。

でも、ネットの通販には、別の良さがある。深夜でも注文できる。メールで履歴が残る。カードで払える。即日出荷で、翌日には届く。そして何より——一つの店の誠意に頼りきらないぶん、ある日突然なくなって途方に暮れる、ということが、起こりにくい。仕組みとして、続いていく。

どちらが良い悪いの話ではない。ただ、時代は、変わった。その変化に、管理部門も、ちゃんとついていくしかない。失ったものを、ちゃんと寂しがりながら、それでも、手に入れた便利さを使いこなしていく。それしか、ない。

お世話になった、あのハンコ屋の奥さんに、心の中で礼を言いながら、私は、新しい発注先のページを、ブックマークした。

——さて。当ては見つけた。あとは、実際に頼んでみて、どうか。その使い心地は、また別の機会に、正直に書こうと思う。

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