入社手続きで同じ情報を何枚の紙に書くか数えてみた〜中小企業のリアルな現状〜

労務・社会保険

正直に言う。

ある日、入社手続きの書類を前に、ふと手が止まった。

さっきから、同じことを、何回書いているんだろう。

気になって、数え始めた。新入社員が一人入るとき、同じ情報を、いったい何枚の書類に書くのか。

……正直に言う。途中で、数えるのをやめた。

多すぎたのだ。一枚、二枚と数えるうちに、笑えてきた。同じことを、何度書かせるんだ、と。何枚、と数字で言うより、途中で数えるのをやめた、という方が、よっぽど実態に合っている。


入社手続きの書類、数えてみたら驚いた

まず、氏名。これは、ほとんどの書類に書く。社会保険、雇用保険、雇用契約書、社員名簿。一枚ごとに、また氏名。同じ名前を、何度も何度も書いていく。

氏名だけじゃない。基礎年金番号、雇用保険番号、家族構成、住所。どれも一度書けば済みそうなものなのに、書類が変わるたびに、また最初から手書きする。

社会保険の加入手続き、雇用保険の手続き、雇用契約書、社員名簿への追加、各種備品の手配。入社一人につき、紙と手書きが、これでもかと積み上がっていく。具体的に会社側が何をやるのかは、入社手続きのチェックリストに全部並べたので、実務の全体像はそちらで掴んでほしい。

とにかく、一つ確かに分かった。一人の入社で、これだけ書くのか、と。

あなたの会社では、入社手続きに何日かかっているだろうか。


さらに困るのが、転職組の入社手続き

そして、もう一つ、地味につまずくポイントがある。転職してきた人の手続きだ。

転職組の新入社員は、よかれと思って、前職の源泉徴収票を持ってきてくれる。ありがたい。ありがたいのだが——持ってきてくれるのが、なぜか前年分なことがある。

こちらが必要なのは、今年分なのだ。年末調整に使うのは、今年の源泉徴収票。去年のものでは、どうにもならない。

もっとも、これは本人のせいばかりじゃない。案内文に「今年分が必要です」と明記していないこちらにも、理由がある。そもそも、その案内文自体がきちんと整備されていない。これも、私の積み残しの課題のひとつだ。次に手をつけるべきところが、また一つ見つかった。


なぜ同じ情報を、何度も書かせるのか

そもそも、なぜ同じ情報を、何度も書かせるのか。

理由は、書類ごとに様式が決まっているからだ。国や自治体が定めた様式、会社独自の様式。それぞれに、それぞれの欄があって、そのすべてに必要事項を記入しなければならない。

本来なら、一度入力すれば済む話のはずだ。でも、紙ベースの管理では、そうはいかない。全部、手書き。一枚ずつ、最初から。

そして、大変なのは書く側だけじゃない。受け取って確認する側も、なかなかのものだ。記入漏れ、記入ミス、そして時々、解読が必要なレベルの文字。それらを一つずつチェックしながら、処理を進めていく。書くのも、確認するのも、どちらも紙ならではの手間がかかる。


この紙の山を、なんとかしたい

正直、この紙の山を見るたびに思う。なんとかならないものか、と。

世の中には、こういう手続きを楽にする仕組みが、きっとある。社員が一度だけ情報を入力すれば、あとは必要な書類に自動で反映される。同じ氏名を何度も書かなくていい。そんな仕組みが、本当はもう実現できる時代のはずだ。

うちは、まだそこまでたどり着けていない。でも、このままでいいとも思っていない。だから今、少しずつ情報を集め始めている。

まず大事なのは、この紙の山が「当たり前じゃない」と気づくことだ。毎日やっていると、麻痺してくる。でも、本当はおかしい。そこに気づくところから、全部が始まる気がしている。

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